保育のこと

発達障害ってなんだろう?特徴と対応について【特別支援の現場で働く保育士が解説】

発達障害ってよく聞くけど、どんな障害なんだろう?身近にちょっと気になるお子さんがいるけど、どんな風に対応すればいいのかな?

そんな方のために、本記事では以下のことを解説します。

  • 発達障害ってどんな障害なんだろう?
  • 発達障害にはどんな特徴があるの?ポイントを具体的に解説します。
  • どうやって対応すればいいの?「発達障害かもしれない」と思ったときの関わり方の3つのコツ

もし身近に行動の気になるお子さんがいたら、「もしかして発達障害かも?」と心配になることもありますよね。

でも、日常生活の中で発達障害について詳しく知る機会は少ないかもしれません。

誰に相談すればいいのか、何をしてあげればいいのか悩みますよね。

まず最初にお伝えしたいのは、発達障害の診断ができるのは医師(医療機関)だけということです。

そのお子さんが通っている保育園の保育士であっても、お子さんが発達障害かどうかを判断することはできません。

ひよこ
ひよこ
でも、いちばん身近にいる私たちだからこそできることもたくさんあるんです。

この記事では、発達障害の全体像を理解できるだけでなく、実際の場面でどのように対応したら良いのかという発達障害児(グレーゾーンと呼ばれる子どもを含む)への基本的な関わり方を解説します。

医師ではなく、医療従事者でもないわたしたちにもできることがあります。

それは、子どもが今何に困っていて、どのような支援があればその「困り感」が少なくなるだろうか?と考えることです。

もちろん一人で抱えこむのではなく、保育園であればクラスや園全体で話し合ったり、巡回相談などで専門家の意見を聞くことも大切です。

発達に課題のあるお子さんへの対応を考えることで、他のお子さんたちにとってもわかりやすく過ごしやすい環境をつくることができます。

保育の現場では「発達障害かどうか?」という視点ではなく、「目の前にいるこの子にとってどのような支援が必要か?」という視点で考えてみましょう。

発達障害ってなんだろう?

発達障害の分類

まずは発達障害の分類についてお話しします。

学習障害(LD)

全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる発達障害のことです。大きく3つのタイプに分かれています。

  1. 読字障害(ディスレクシア)…主に文字を読むのが苦手
  2. 書字障害(ディスグラフィア)…主に文字を書くのが苦手
  3. 算数障害(ディスカリキュリア)…主に計算や算数が苦手

注意欠如・多動性障害(ADHD)

不注意、多動性、衝動性が特徴です。

自閉症スペクトラム障害(ASD)

社会性やコミュニケーションに困難があること、状況・感情の読み取りに困難があること、こだわりが特徴です。

知的障害のない自閉症を高機能自閉症と呼びます。

さらに、言葉の発達に遅れのない自閉症をアスペルガー症候群と呼びます。

発達障害は大きく分けてこれら3つに分類されます。

それぞれに特徴がありますが、上記の図のように一人のお子さんがこの中のいくつかの特徴を併せ持っている場合もあります。

発達障害がある人は、コミュニケーションや対人関係をつくるのが苦手なことが多いです。

その行動から「自分勝手な人」「変わった人」などと誤解されることもあります。

でもまず最初にお伝えしたいのは、それらの行動にはちゃんと理由があるということです。

決してしつけや教育の問題ではありません。

その理由と対応方法を知れば、お子さんにとって適応しやすい環境を作ることができます。

発達障害の子どもへの対応のコツ

発達障害を診断するのは医師(医療機関)の役目です。

だからと言って、家族や保育士が何もできないわけではありません。

むしろ、毎日接していてそのお子さんのことを誰よりも理解しているからこそできることがたくさんあるんです。

日常的にお子さんに接するときのポイントを押さえておけば、今よりちょっとスムーズに毎日過ごせるようになるかもしれません。

お子さんは一人ひとり違いますが、基本的な関わり方をおさえておくことでそれぞれに合わせた臨機応変な対応ができます。

ここでは、お子さんへの関わり方の基本的なコツを3つお伝えします。

発達障害の子どものほめ方

ほめる時のポイントは次の通りです。

  • 優しい表情で、視線を合わせ、できるだけ近くへ行って伝える。
  • 行動ができたことに気がついているということを具体的に伝える。
  • 「できている」正しい行動を見落とさない。
  • 期待の10%くらいでもオッケー!と考える。

「それでいいよ」「よくできたね」と動作も含めてことばで伝えてあげましょう。

発達障害の子どもの叱り方

  • 無表情で、視線を合わせ、淡々と伝える・制限する。
  • 感情的になったり、大声を出したりしない。
  • 「ダメ」と言うだけではなく、「どこがいけないのか」「次はどうするか」を具体的に伝える。
  • 否定形ではなく肯定形の言葉で伝える。❌「走らないで」→⭕️「歩こうね」

発達障害に限らず、人を叱るときのコツとして「かりてきたねこ」という考え方を紹介します。

「かりてきたねこ」

か…感情的にならない

り…理由を話す

て…手短に済ませる

き…キャラクター(性格・人格)に触れない

た…他人と比較しない

ね…根に持たない

こ…個別に伝える

https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/16/042200003/072000005/?waad=abLZtgAl

日経Gooday「部下を叱るときは「かりてきたねこ」を心得よ」より

問題行動への対応

子どもが「問題行動」を起こしたとき、その時に起こっている事実だけを見て叱ってしまうこともあると思います。

大切なことは、子どもを叱る前に行動の起承転結を読み取ることです。問題行動には必ずストーリーがあるのです。

子どもはただ「ダメ」と言うだけでは何がダメなのかわからないことが多いです。そんな時は、「本当は何がしたかったのか」を尋ねてみてください。

「どうすればよかったのか」「次はどうするか」と具体的な代替行動を教えることにつながります。

そのためには本人の話にしっかりと耳を傾けることが大切です。

話を聴くことで子どもの体験世界を知り、本人のストーリーを整理することができます。

今までのストーリーを整理して、いっしょに新しいストーリーを創っていきます。

ABOUT ME
ひよこ
こんにちは、ひよこです。 東京都出身。30代の保育士。大学卒業後、保険会社に就職。働きながら保育士資格を取得し、保育の世界へ。 現在は「医療的ケア」を必要とする子どもたちの支援をする傍ら、Webライターとしても活動。